トクホ飲料によく使われる難消化性デキストリン。
難消化性デキストリンがなぜトクホなのか。なぜダイエット効果があると言われるのかをまとめながら、効率のいい摂取タイミングや目安としての摂取量などを考えてみます。
Contents
難消化性デキストリンとは
でんぷんの一種で食物繊維です。
現在使用されている難消化性デキストリンは、トウモロコシのでんぷんに加熱、加水分解といった加工を加えて作られたものが大部分です。
ほとんど無味で酸化しにくく低カロリーであるという特徴があります。
トクホに認められた3つの効能
難消化性デキストリンは、トクホの健康食品として3つの効能を謳うことが認可されています。
整腸作用
「おなかの調子をととのえます」
難消化性デキストリンは、腸でビフィズス菌のえさになり、おなかの調子を整えてくれます。
腸内細菌のバランスが大事と言われますが、乳酸菌やビフィズス菌を直接摂るだけでなく、おなかの中で善玉菌が増えるようにしてあげることも大切です。
食物繊維には、そうした効果があります。
食後血糖値の上昇を抑える
「食後の血糖値が気になる方に適しています」
食物繊維は、食事から摂取した糖の吸収を遅らせます。
一度にたくさんの糖が吸収されると、それだけ血糖値が高くなってしまいますが、ゆるやかに吸収されれば血中に流れ出す糖も少しずつになり、血糖値の上昇幅が狭まります。
血管内に大量の糖が存在する状態は好ましくないので、インスリンが出てきて糖をエネルギーに転換しますが、あまりに多いと使い切れません。
余った糖は、脂肪として蓄えられます。
血糖値がゆっくり上がった場合と急上昇した場合で、同じだけのエネルギーを消費したとすると、ゆっくり上昇であれば使い切れたかも知れない糖でも急激に増えていては消費が追い付けません。
摂取する糖質量が同じでも、血糖値の上がり方がなだらかなほうが太りにくいと言うことです。
極端な話が…
ご飯1杯を5分で食べてしまうより、1時間かけて食べるほうが太りにくいってことです。
3時間ならもっと太りにくいです。
そうは言っても、食事に3時間かけていられません(笑)
でもこの時、難消化性デキストリンを一緒に摂ると血糖値が上がりにくくなって、太りにくくなるわけです。
これが、難消化性デキストリンがダイエット向きと言われる一番の理由です。
※血糖値が上がらなくなるわけではありません。上昇幅が小さくなるってことです。
食後中性脂肪の上昇を抑える
「脂肪の多い食事を摂りがちな方、食後の中性脂肪が気になる方の食生活の改善に役立ちます」
難消化性デキストリンは、血糖値だけでなく、食後の中性脂肪の上昇も抑制してくれます。
食後高脂血症は、最近注目され始めた症状ですが、動脈硬化の原因になり、ひいては狭心症や心筋梗塞を起こすこともあるので注意が必要です。
難消化性デキストリンには、脂肪の吸収を遅らせる作用もあり、食事と一緒に摂った場合、食後の中性脂肪値の上昇もゆるやかになると報告されています。
これも血糖値と同じで、上がらなくなるわけではありません。上昇幅が小さくなります。
他の食物繊維と違う難消化性デキストリンの意外な効果
ここまでの特徴は、程度の違いはあっても食物繊維に共通するものですが、難消化性デキストリンにはもうひとつ、他とは異なる長所があります。
それは、ミネラルの吸収を促進するということです。
食物繊維は、糖質や脂質と一緒にすべての栄養の吸収を妨げるものと考えられてきましたが、難消化性デキストリンはミネラルの吸収を妨げず、むしろ促進しているというデータが出ています。
- 動物実験でカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛の吸収が上昇
- 女子大生を対象にした試験で血中のヘモグロビン値が上昇
などです。
粘度が低く腸内細菌と親和性の高い食物繊維には、こうした特性があるのだそうです。
詳細は、難消化性デキストリンのはたらき「ミネラル吸収を促進する」
リンク先の松谷化学工業は、難消化性デキストリンの発見・命名をした会社です。
現在では世界にその有効性と安全性を認められている難消化性デキストリンは、日本人によって発見されたのです。
難消化性デキストリンを活用するタイミングと摂り方
難消化性デキストリンを摂るのに適したタイミング
難消化性デキストリンの特性を見ると、糖質の多い食事や脂肪の多い食事の前にお腹に入れておくか、食事と一緒に摂るのがベストな摂取タイミングだと分かります。
また、食物繊維にはセカンドミール効果なるものがあります。
これは、朝食に食物繊維を摂っておくとランチ後の血糖値も上がりにくくなるというものです。
このセカンドミール効果に期待して朝に摂るのもいいと思います。
難消化性デキストリンを摂る方法
具体的には、どんなふうに食べたらいいでしょう?
パウダーを買う
難消化性デキストリンは粉で売られています。
Amazonで安く買えるので、食前にお茶やコーヒーに入れて飲むのが一番低コストで出来る活用法です。
お味噌汁に溶かすなど、献立によっては食物自体にブレンドすることもできます。
詳細はこちらに
ゼリーになった難消化性デキストリンをつるっと
でも、職場でのランチなど、パウダーを溶かして飲んでいられないこともあります。
そういう時用に難消化性デキストリンのゼリーが販売されています。
状況に応じてパウダーと使い分けるようにすると、いつでも安心して食事ができます。
3種類の難消化性デキストリンゼリーについて成分価格等を比較したものはこちらに
難消化性デキストリンの1日摂取量目安は?
難消化性デキストリンには、明確な目安値というものがありません。
アメリカの食品衛生を管理するFDAでは「上限値を定める必要のない安全な食品」に分類されています。
危険性の低いものですが、副作用といえるものがあるとすれば大量に摂りすぎるとお腹が緩くなることがある点です。
食物繊維なので、いきなり大量に摂らず様子を見ながら加減していくのがいいと思います。
参考としてトクホで使用される難消化性デキストリン量を見ると
整腸作用には1日3~8g
糖の吸収を遅くするには1日4~6g
食後中性脂肪の上昇を緩やかにするには1食5g
となっています。
ざっくりですが、一日の中で糖質の多いものを食べるときに5g摂取くらいが妥当かと。
パウダーの難消化性デキストリンを買うとたいてい小さいスプーンがついていて、スプーン一杯の量が書いてあるので、適宜調整してください。